エコキュートの選び方ガイド|最適なエコキュートを選ぶ6つのポイント
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- 「エコキュートを交換したいけど選び方がわからない。」
- 「エコキュートの仕組みや設置のメリットはなんだろう。」
エコキュートを購入・交換したいと思っても種類や機能がたくさんあり、選び方に迷う人は多いでしょう。そこでエコキュートの仕組みやメリット、選ぶ際の6つのポイント、交換の手順・費用について説明します。
この記事を読めば、エコキュートの特徴や選び方について深く理解ができるでしょう。自分のライフスタイルや予算にあった、最適なエコキュート選びができるようになります。
エコキュートの仕組み
エコキュートはヒートポンプ技術を使用して、大気の熱でお湯を沸かす給湯システムです。
エコキュートはヒートポンプ技術により、少ない電力で効率的にお湯を作ることができます。ヒートポンプ技術は大気中の熱を回収し、電気の約3倍の熱エネルギーでお湯を沸かすことが可能です。
具体的には、エコキュートは次のような流れでお湯を作ります。
- 大気の熱を冷媒が吸収
- 圧縮機で冷媒を高温化
- 高温の冷媒が水に熱を伝えてお湯を作成
- 作られたお湯を貯湯タンクに貯蔵
自然の力と電気を組み合わせた、効率的な給湯システムがエコキュートです。
エコキュートのメリット
エコキュートのメリットはランニングコストが安く抑えられる上、環境に優しく、非常時にも利用できる点にあります。
エコキュートの具体的なメリットは、次の通りです。
- 光熱費削減:ヒートポンプ技術と深夜電力の利用により電気代を抑える
- 環境への配慮:CO2排出量が少ない
- 非常時対応:停電時や断水時でも貯湯タンクの水が使用可能
4人家族の場合、ガス給湯器に比べるとエコキュートは年間で、約10万円の光熱費削減 が可能です。経済的で環境に優しく、災害時の備えとしても有効といったメリットが、エコキュートにはあります。
エコキュートの選び方の6つのポイント
エコキュートを選ぶ際は自分の生活スタイルや居住環境、求める性能を考慮して選ぶことが重要です。
次に、エコキュートの選び方の6つのポイントについて詳しく解説します。
設置スペースで選ぶ
エコキュートを選ぶ際は、設置スペースに適したタイプを選ぶことが大切です。
具体的なタイプと特徴は次の通りです。
角型タイプ 一般的な戸建て住宅向き。省エネ効率が良く、選択肢が多い。設置に広いスペースが必要。
薄型タイプ 角型タイプよりスリム形状。狭いスペースに適している。価格が高めで選択肢が限られている。
コンパクト型 省エネスペースで設置場所の自由度が高い。ヒートポンプと貯湯タンクが一体化。容量が小さく、少人数世帯向き。
角型タイプは主に戸建て住宅に適しており、薄型タイプやコンパクトタイプは、戸建てやマンションの両方に設置できます。
設置スペースと家族構成を考慮することで、適切なタイプを選べるでしょう。
使用人数で選ぶ
エコキュートを選ぶ際には使用人数に応じた給湯能力の容量を選ぶことが重要です。エコキュートの給湯能力は、お湯を貯めるタンクを持つため容量の「L」で表されます。
使用人数の目安 は次の通りです。
- 2人以下向け:180~300L
- 3人向け:370L
- 4人向け:370L~460L
- 5人以上向け:460L~550L
例えば4人向けの場合、370Lでも対応可能です。しかし、余裕を持って460Lを選択することで、将来的な使用量増加にも対応できます。
使用人数だけではなく、ライフスタイルや将来的な家族構成を考慮するならば、余裕を持った容量を選ぶとよいでしょう。
給湯機能で選ぶ
エコキュートを選ぶ際は、給湯機能も快適な生活を送る上で欠かせない要素です。
給湯機能には給湯専用タイプ・オートタイプ・フルオートタイプの3つのタイプがあります。
3つのタイプ の具体的な機能は次の通りです。
- 給湯専用タイプ お湯はり手動、追い焚き・自動保温機能はなし、価格が安い
- オートタイプ 自動湯はり機能あり、追い焚き・自動保温機能はなし
- フルオートタイプ 自動湯はり、追い焚き・自動保温機能あり
家族構成やライフスタイル、予算に応じて適切な給湯機能を選択しましょう。
水圧で選ぶ
エコキュートの水圧には標準圧タイプと高圧タイプがあり、メーカーによって特徴が異なります。水圧の強さの表示は、kPa(キロパスカル)という単位です。
標準圧タイプは170〜210kPaで、住宅の1階に浴槽がある場合に適しています。
また、高圧タイプは260〜510kPaで、住宅の2階以上に浴槽がある場合や1階のシャワーの水圧が弱い場合に適しています。
水圧はメーカーによっても異なっており、同じ標準圧でも170〜210kPaと、水圧が違うため注意が必要です。
水圧は居住人数や住居の特性、使用状況を考慮して、適切なタイプとメーカーを選びましょう。
地域環境で選ぶ
エコキュートは、寒冷地や沿岸部といった地域の環境に応じて選ぶことが重要です。
寒冷地は凍結防止機能が強化されている「寒冷地仕様」のエコキュートが適切です。寒冷地仕様であれば、-10℃から-25℃まで対応できます。
沿岸部は塩分による腐食を防ぐ特殊コーティングが施されている「耐塩害仕様」のエコキュートが適切です。また、沿岸部でもさらに厳しい塩害環境に対応した「耐重塩害仕様」を選ぶこともできます。
地域の気候や気象条件を考慮して選ぶことで、エコキュートの性能と耐久性を向上できるでしょう。
メーカーで選ぶ
エコキュートを選ぶ際には、品質や信頼性、アフターサービスが充実したメーカーを選ぶことが大切です。
信頼のおけるメーカーを選ぶことで、エコキュートを長期間にわたり、安心・安全に使用可能です。
国内の代表的なメーカーとしては、三菱・パナソニック・ダイキン・コロナ・日立などが挙げられます。国内メーカー各社は、豊富な実績と高い技術力があり、手厚いアフターサービスで知られています。
メーカー間の性能に大差はないため、自分のニーズに合った機能や予算で選ぶとよいでしょう。
エコキュートの交換手順
エコキュートの交換は、適切なタイミングと正しい手順で行うことが大切です。
エコキュートの寿命は、設置から約10年~15年 で、故障が増えたり性能の低下がみられたりした場合は交換を検討しましょう。
エコキュートの交換手順 は次の通りです。
- 業者に見積もりと現地調査を依頼
- 既存エコキュートの撤去
- 新しいエコキュートの設置
- 配線と配管の接続
- リモコン取り付けと試運転
- 最終確認と電力会社への申請(必要な場合)
一般的な交換工事は半日から1日程度で完了しますが、基礎工事や配管工事が必要な場合は2〜5日かかることもあります。
交換作業には専門知識と技術が必要であるため、必ず専門業者に依頼することが重要です。
エコキュート交換にかかる費用の目安
エコキュートの交換費用は、交換前の給湯設備や選択する製品によって大きく異なります。
交換費用の目安 は次の通りです。
- ガス給湯器からの交換:50~100万円
- 電気温水器からの交換:40~80万円
- エコキュートからの交換:30~70万円
交換費用は本体価格が20万円~70万円と、工事費用が約15万円で計算されます。
エコキュートの交換を検討する際は、機能と価格のバランスを考えて選ぶことが重要です。
また、交換費用を抑えるには複数業者からの見積りを比較したり、自治体の補助金を活用したりすることが有効です。
まとめ
今回はエコキュートの仕組みやメリット、選ぶ際の6つのポイント、交換の手順・費用について取り上げました。
エコキュートの仕組みやメリットを理解し、選び方のポイントを知ることで、適切なエコキュート選びが可能になります。
また、実際に購入・交換する際は交換の手順や費用の目安を事前に把握することでより、スムーズな設置が実現できるでしょう。